1981年に雑誌『ARTFORUM』で表紙を飾ったのがこちらの「レッド・アップル」です。ロイ・リキテンスタインが日本の伝統的な木版画の技法を使って、初めて制作したシリーズ「SEVEN APPLE WOODCUTS」の中の一枚です(リキテンスタイン後期のメインモチーフであるブラッシュストロークを版画で最初に使ったのもこのシリーズ)。ざらっとした質感の和紙に馬簾を使い、手摺りで丁寧に刷られたこの作品をリキテンスタインは、「静けさとエレガントさを持った作品」と語っています。相変わらずオークションでも人気の高いリキテンスタインは、2005年11月に作品が約15億円で落札されたというニュースがありましたが(この記録は2005年オークションセールスのトップ10に入っています)、総売上高でも全体の11位! なお本作品は海外店頭価格に比べてかなりお買い得となっています。