伊藤誠は、FRP(繊維強化プラスティック)、ゴム、ステンレス、鉄など、現代の生活空間で毎日つきあっている素材を使い、現実の空間がぐるりとでんぐり返ったような、不思議でユーモラスともいえる空間を作りだしている。
版画作品は、1999年、2000年と制作、発表。1999年に制作した「品」は、「折りたためる彫刻」という言葉が添えられているように、まさに「紙の彫刻」といえる作品もある。それは、通常の版画のように刷られた平面そのものを見て楽しむのではく、トタンの箱から一つ一つ取り出し、机いっぱいに広がった紙の彫刻を手にとって折りたたんだり、開いてみたりしたときに変化する形を楽しむことができる。
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