何年か前に、児童ポルノの要素のある漫画を許可するか、禁止するかという国レベルの議論が世の中を騒がせました。許可すべきだという人の言い分、禁止すべきだという人の言い分、それぞれが結構的を得ていて、彼らのどちらか片方が正解というわけではなさそうだと思い、個人的に答えの種類の可能性について考えさせられた問題でした。実際に存在する児童が暴行されている映像などはもちろん言語同断で禁止されてしかるべきだと思うのですが、なにせ対象は存在しない漫画やアニメのキャラクターです。許可派の言い分としては、キャラクターがどんなに辛い思いをしても、それは紙の上のフィクションだからグレーゾーンなのではないかというわけです。その考え方は結構危険で、明確な意見のやりとりができない者であれば、何をしても良いのではという要素も含んでいます。それははたして本当にフィクションの世界の話で終わるのでしょうか。言葉の通じぬ生き物は、周りにたくさんいるのですから。