リトグラフ5作品からなる版画集「歌木立(うたこだち)」。
古今和歌集の中から選ばれた和歌に歌われている木々、それらを題材に構成されています。
描かれている少女たちのすらりと伸び上がる立ち姿は、その歌と、そしてその木々の姿を映しています。
クレヨンや解墨で描かれた少女たちの姿を彩っている地模様や文様は、お祖母様が遺された古い着物地に直接インクを塗り込め、その生地の表情そのものをリトグラフの版に写し取って版にしたものです。
今の瞬間を生きる少女たちと長い時代生き続ける木々、今描かれた絵と古い着物地、それらがリトグラフの中で一つとなり、古今が同時に流れゆくかのようです。
2018年5月9日よりミヅマアートギャラリーにて開催の山口藍展「今と古ゝに」において2作品のみ先行発表され、同年10月にSpiral Gaerdenで開催のアートフェア『Selected Art Fair 2018 蒐集衆商』にて完成した全5作品を発表いたしました。