この作品は、バベルの塔から見た景色を想像、夢想して描いて作品である。
安部公房の「壁」(かべ)に収録されている 「バベルの塔の狸」がインスピレーションの源だ。
この作品は特定のものを描かずに、曖昧でぼやけて霞んだような視界で見えた世界を描いている。
現実と非現実、夢と現実、意識と無意識の境界のぼやけた白日夢の様な状態にある時、人はある意味、神性に触れている状態であると思う。
その神性に人間が触れている時、昔の人間には備わっていたけれど現代の私たちは忘れてしまった野性的な感覚を取り戻せるのではないだろうか。