都市の光景はときに平面的である。それは建物がガラスやコンクリートといった無機質な印象を与える素材によって作られているからかもしれない。あるいは乱立する建物やガラスの反射が、現実であることの確かさ(立体感)を奪っているからなのかもしれない。
しかし、奥行きを失ったかのような画面?一見それは写真のようでもある?に、人々の日々の生活が見えてくると一種の安堵感を覚える。人々の小さな動きの集まりは密度をもって、建築物とともに一枚の画面を構築している。そのようにして見えてくる画面を「都市のレイヤー」と称して、収集をつづけている。