おもに森の生き物を題材にファンタジックな水彩画を発表し続けている村田なつか氏。童話本や絵本のワンシーンを思わせる場面構想力は、透明水彩の独特な滲みとマスキング技法とを駆使することで、より洗練された境地に達しています。動物イラストレーションの王道を承けつつ、自然の陰りや発光感まで豊かに表現できる余白の巧みな使い方が印象的。可愛らしいだけではなく、鉱石や食べ物と動物との組み合わせも試みるなど、グラフィカルでシュールな着想の面白さにも特徴があります。
本作は、村田氏の2016年のオリジナル作品から自薦の1枚です。