様々な素材を組み合わせたコラージュ技法で知られる、長谷川洋子氏。フランスのアンティークレースやスパンコール、アクリルガッシュやマニキュア、ときには京都の大正着物生地などもミックスしています。バレリーナやお城、遊園地や星座など、誰もが憧れる夢物語のワンシーン。それを、個々の素材だけが持ちうる希少な色と光彩のニュアンスを操り、洋の東西と時代を超えた素材同士の奇跡的コラボレーションを引き起こして、ビジュー感に満ちた華やかな画面へ結実する唯一無二の魅力があります。
本作は、大きめのビンテージのビジューやビーズ、スパンコールなどをふんだんに使用し、大輪の椿と蕾を描いたもの。シンボリックなモチーフのなかに華やかな雰囲気を醸す長谷川氏の技巧が十分に堪能できる作品です。シルバーフレームに、薄く模様の入った水色和紙の二重マットとゴールドのラインが施されているこだわりの額装も魅力的。個展「NEW DAYS」(2020年、南青山・スペースユイ)で展示され好評を博しました。