染め、塗り、ドローイング、切り絵など紙に対するあらゆるアプローチを融合させた独自の貼り絵技法で人気が高い、村尾沙織氏。時に伝統的な手漉き和紙や友禅和紙も材料とするなど、オリエンタル / オクシデンタル双方の美学をブレンドする、幻想的なカラーバランスも魅力です。細やかなニュアンスと文芸的な画想、大胆な絵肌の乗算が、動物や草花、人物などのモチーフへファンタジックな飛翔力を与えています。
「ALBION AWARDS」の初回で金賞を受賞するなど、その比類のない世界観にはかねてよりアート関係者の関心度も高く、全国各地での展示のたびに新しいコレクター、フォロワーが着実に増加中。今後の伸びしろに大きな期待が持てる注目のアーティストです。
本作は、アクリルガッシュとパステルで女性が持つ内面の美しさや心のゆらぎを柔らかな筆触と色彩で描いた新しい女性画シリーズ「恋する女神」から自薦の一作です。うっとりするような乙女心を、純真さを表す「桜」に映して描いた作品。体温を感じるような色彩に金彩がキラリと輝きます。