おもにカッターと紙によるアナログな技と豊かな多重的構成によって表現される、動物や鳥、小さな生き物たちの物語。riya氏の切り絵作品では、限定的に見えるアイコニックな表現にもかかわらず、カッティングの線がいきいきと雄弁で驚くほど深いニュアンスが感じられ、額の内部空間にまるで宇宙の真理が秘め隠されているかのようです。
人の手によらない自然の造形美を中心に描かれる、中南米の民族的意匠にも似たオルタナティブなグラフィック感覚には熱心なファンが多く、また商業ビルやアパレルブランドなどとのコラボレーションなど幅広い活動を通して都市空間や人々の日常に新鮮なインパクトを与え続けています。
本作は彼女の創作で最も人気が高い、紙をレイヤーにした立体切り絵シリーズから犬(狼)をテーマにした一作。夜空に犬の先祖達の魂が駆けまわり、その星の下で生きている者が夢を見つつ眠る様子を物語の一場面のように作り上げています。「DOG STORIES」展(2022年、恵比寿・AL)にて展示され好評を博しました。