花や動植物たちのみずみずしい生命力が、紙やキャンバスの上に再び息を吹き返す、それが星きさら氏の絵の楽しさです。それらの合間に時おり、鳥や動物たちが騙し絵のように調和していることにも気づくでしょう。あえて輪郭をクリアにしない、味わい深い絵筆のストローク。色の群れが咲き誇るように構成されるスタイルは、彼女の心眼に写った”新しい景色”を私たちの印象深くへ吹き込むのに十分な、マジカルな迫力を備えています。

　本作は、「鳥がみている空」シリーズからの1点。色とりどりの植物のなかを青い鳥たちが自由に羽ばたいている、そんなイメージを描いているやや大振りな力作です。よく見るとてんとう虫もひっそりと隠されています。