書道の美と技法を現代アートのなかへ新鮮な角度で吹き込む活動をしている、開田氏。墨汁と紙が引き起こす偶然性を援用しながら自らのイマジネーションを、作為と無作為のフュージョンという創造に結びつける、そんなゾクゾクする新しい「書」の魅力を盛んに発信しており、これまで「書」のジャンルに馴染みのなかった人々からも注目を集めています。
本作は、2020年から制作している『INFINITY』シリーズよりの1作。二本の筆を用い心(ハート)を描いているもの。ハートを延々と描き続けるなかで筆から官能的な動態が生まれ、その一瞬を封印するスリリングな面白さがあります。大きな和紙に描いたものをトリミングし裏打ちして制作しています。