アルコールインクの風合い豊かな拡散具合やレイヤー感、特徴的な発色と滲みなどを活かして制作されるアルコールインクアート。注目されるようになってから比較的歴史の浅いジャンルですが、Bloom_inkartのYumi氏はその中でもこの技法ならではの新しい可能性を見出し、豊かな画想を込めて表現しようとしている稀有なアーティストです。
「テーマは人間を描くこと」と彼女自身が語るように、儚げに見える描画手法とは対極的に、見る側へ咲き育っていく高揚感をもたらすような画面構成力と彩色の妙が特徴的。含蓄のある書の世界や音の響き合いにも似た味わい深い世界観がユニバーサルに多くのフォロワーを生んでいるところ。展示歴はまだ少ないものの、今後の活躍と作品価値の上昇が期待できる新鋭です。
本作は、小作品9枚で自らのビジョンを表現したユニークな一点ものです。円形のなかに様々な色合いや造形を配置。その構成そのものもアートワークになっています。「未来コレクション 2024 Vol.2」展(2024年、銀座・アートストンギャラリー)にて展示され好評を博しました。
「多種多様な花が咲き乱れる/淡く儚い/輝きを放つ/個性を発揮しながら」(Yumi氏のステイトメントより)