様々な素材を組み合わせたコラージュ技法で知られる、長谷川洋子氏。フランスのアンティークレースやスパンコール、アクリルガッシュやマニキュア、ときには京都の大正着物生地などもミックスしています。バレリーナやお城、遊園地や星座など、誰もが憧れる夢物語のワンシーン。それを、個々の素材だけが持ちうる希少な色と光彩のニュアンスを操り、洋の東西と時代を超えた素材同士の奇跡的コラボレーションを引き起こして、ビジュー感に満ちた華やかな画面へ結実する唯一無二の魅力があります。
本作は、リズミカルなパンジーを描いた作品です。ピンクのトーンでまとめられた花が柔らかく愛らしい雰囲気。左の花びらに埋め込まれたアメジストが露のように静かに優しく光り、物語性を暗示しています。
個展「白茶香る庭園」(2024年、銀座・ K.Itoya)にて展示され好評を博しました。