紙版画(板紙凹凸版)を中心とした手法で創作している黒田阿未氏。彼女にとって創作活動は「私とは何者であるのか」という問いかけであり、「制作することで自身と向き合い思考し、確認し、会話している」のだといいます。少女たちの夢や空想、深く濃い耽美を主題にしたその繊細な表現は、数々のコンクールやグループ展で高い評価を得ています。
本作は、近作からの自薦の一点です。心のなかのシェルターをイメージして制作したもの。緻密に描き込まれた描画と、刷り色の豊かな階調が魅力的です。「版は異なもの味なもの展 拾」(2024年、The Artcomplex Center of Tokyo)にて展示され好評を博しました。