建造物やそのガラス面に映り込む風景の中に、街や人々の息遣いを捉える「City Portrait」シリーズ。
本作は六本木にある光景。大小さまざまなビルが立ち並ぶこの街は会社から歓楽街まで、実に様々な顔を持っている。画面に存在する街並みや人、電線などほとんどの要素が映り込みによるものであり、画面左に映る女性(正確にはサイネージに流れる画像)のみが実際に空間に存在している。
ちなみに特に本作は、俯瞰して眺める(距離をとって眺める)間は女性が前景化して見えているが、画面に近づいて眺めると街のディテールの方がむしろ前景化してきて女性の輪郭は情報の中に埋もれていく。私たちの目は、同時に2つの物事を眺めることはできないのである。