光そのものを作品にしている現代美術家であるジェームズ・タレルの作品をご紹介いたします。
彼は光を知覚する人間の作用に興味を持っており、知覚に働きかけ普段意識しない光の実在を感じさせるようなインスタレーション作品や空間を多く作っています。
作品は、たとえば暗い壁に光を投射して、触れそうで重さもありそうな「光のかたまり」が壁から飛び出ているように見せたり、天井が開いた部屋で空の光の色が時々刻々と変わっていくさまを見せ、それに補色の光を加えて空の色を濃くしたり変えたり、また真っ暗闇の部屋の中に観客を入れて、暗さに慣れてきた頃に光のスクリーンが見えはじめる、といったものがあります。
彼は大学で知覚心理学と数学を学び、その他物理学や航空学、美術などの講義に出席した後、カリフォルニア大学アーバイン校大学院で美術史を、クレアモント大学大学院で芸術修士号を取得しました。以後1960年代後半から発表を続け、世界中の美術館での個展を多数行い、日本でも1995年に水戸市の水戸芸術館で個展を行い、1998年には埼玉県立近代美術館・世田谷美術館他で巡廻展が行われました。また飛行機の免許も持っており、高空の青い光からも作品のインスピレーションを得ています。
この機会にどうぞ、ジェームス・タレルの作品をお求めください。