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森山大道

Daido Moriyama

森山大道

「アレ・ブレ・ボケ」とは、粒子の荒れ、激しい揺れ、画像の暈けた写真表現のことを言う。
鮮明に映し出すことを目的とした写真そのものからは逸脱した作品がまさに森山大道のスタイルである。

「僕は街頭スナップ写真家だから」
 写真家・森山大道氏は、自身のことをそう呼ぶ。モノクロでコントラストが強く、ギラっと締まった印象的な黒。粒子の粗さ、躍動感、ダイナミックな構図。街のあらゆる存在が森山氏の撮影対象となり、一枚一枚の写真から街の呼吸が伝わってくる。世界中の街を歩き回り、その姿をカメラに収めてきた。

「僕はほとんど(スナップを撮った人との)対話はしないからね。理想は自分の存在を消したいところだけど、実際はカメラ持ったおじさんが単にいるってことだからね」


基本的にストーリーを作るということはしない。もともとストーリーのある写真を撮っていない。
街頭のスナップだからページを繰るときの、ある種のインパクトやダイナミズムを大切にしているという。

近年では国立国際美術館(2011年)やテートモダン(ロンドン)で行われたウィリアム・クラインとの合同展(2012~13年)他、国内外で大規模な展覧会が開催され、国際写真センター(ニューヨーク)Infinity Award功労賞を受賞(2012年)するなど、世界的に高い評価を受けている。

ロンドンフィリップスでのオークションでは2015年10月に野良犬の作品が300万円で落札。2016年5月にも「Smash-up from アクシデント」という高さ19 cm幅 28.4 cmの小作品が300万超えで落札されるなど、セカンダリーのマーケットでも人気は好調である。

やはり、テートモダンでの圧倒的なインパクトが価値の上昇をもたらせているのは間違いない。

国内の写真家の作品として何か一枚とすれば、迷うことなく森山大道をお勧めする。

1938, born in Osaka, Japan