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阪本トクロウ

Tokuro Sakamoto

阪本トクロウ

阪本トクロウはどこにでもありそうでもない風景をアクリル絵具で描く。
時には余白を大きくとり、空や山、道路、送電線、信号機、公園の遊具といった風景を切り取り、人間の不在を強く意識させる。地図シリーズでは空からみた地上のようすがポジとネガの二色で彩られ、夜景シリーズでは都会の夜が黒地に白い点で示される。
水面を描けばオールオーバーな画面に光琳波のようなモチーフが筆跡を残さずに現れる一方で、広重のような前景と後景からなる江戸期の浮世絵を連想させる構図も見出される。

阪本は具象作品でありながら極めて抽象性の高い作品を雲肌麻紙に描く。
自分の作品を日本社会独特の構造であり、外側だけあって中が空いている構造と結びつけ、作品の中で風景を描くことで空白のスペースを浮かび上がらせているのである。

阪本トクロウの作品どこで作品を飾ってもインテリアに合うので、少なくとも1点は絶対に持っておきたい作家の一人である。
お気に入りの作品が見つかったならば、必ず押さえておいたほうがよい。
作品の鑑賞を毎日楽しみながら作品価値を温めたい人に特にオススメである。