私が作品を作る上でのキーワードは、「集積」と「知覚」です。
人は同じ瞬間、同じ環境を共有していても、同じものを見ているとは限りません。それぞれが無意識に得たい情報を、適切な量選び、それぞれで知覚している。私が捉えているものを、他の人が捉えていないという事も常にありうる。
「皆んな、違う世界を生きているようだ」と思います。
この世界に存在する物質は全て粒子で構成されていると言われています。一つでは目に見えないほど細かな素粒子が引き寄せあい、塊になって、肉眼でしています。私にはひとつひとつの細かな粒子が「個人の知覚」のように思え、たくさんの視点や感情などの情報が集積し、一つの物質や風景を作っているのではないだろうか。それを目に見える形に表現できないかと、制作を続けています。