本作品シリーズは、室町時代から江戸時代までの日本画の空間構成を木炭などで一度トレースし、それを現代的なメディウムで塗り隠したモノになる。
かつての日本画に於ける空間構成には、その時代の美意識や自然観だけで無く、思想までもが内包されていた。
しかし同時に、そのような思想は現代のグローバリゼーションの中で、僅かに残ったそのカケラさえも姿を消そうとしているのではないか、、私はその経緯そのものを作品のモチーフとする為に、このような制作手順をとる事にした。
だが私は、この絵を描きながら夢想する。
グローバリゼーションによって画一化された世界を、いつか修正しなくてはならなくなった時、それを俯瞰する為の外からの視座として、東洋思想が再び立ち現れる時が来るのではないか、と、、