この作品はエクトプラズムしている聖母マリアを描いている。
エクトプラズムとは、物理的に心霊現象を起こす霊媒の体の開口部から出ると言われる物質で、現象のことである。
また、テーブルや椅子が空中に浮揚したりする現象の支持物であるとされる。
私は絵を描くとき、なにか私にとって重要な感覚や事象を描いている。
浮揚して浮遊するという事象は、私にとってとても重要だ。
今作品では物質を浮揚させる物質とも言われるエクトプラズムに焦点を当てて描いている。
濃霧に包まれたような幽玄さを抑えた色彩で表した硬質な作品だ。