横位置で撮影した画像に後から編集操作を与えて縦位置にすることで、都市が潜在的に抱える特徴や記憶を捉えようとするシリーズ。
東京スカイツリーから北西方面を捉える。かつての港町、沼地や氾濫原は寺社や有数の歓楽街として栄え、特に江戸時代には多くの人々とお金の流れを呼び込んだ。時代の変遷とともにその栄枯盛衰も移ろい、観光地や風俗街の顔を持ちつつ、問屋街や町工場、寄場といった様々な区域が混在する。隅田川の流れの影響を受けて形成された街の姿は、それぞれの地で日々を暮らしてきた人々が積み上げた碑のようにさえ見えてくる。