コラージュとアクリル画、2つの技法を両輪として駆使し、ドライブ感のあるアートワークを展開しているのがbuggy氏です。ポップアイコン、フェイマスな意匠を溶け込ませたカラフルで遊び心溢れる絵の数々は常に広い話題に。描画モチーフの巧みな選択、パロディ感覚を憎めない可愛らしさで包んでみせる、そのヒップな画風は各所でのウォールペイントや、アパレルをはじめとする多くの企業とのコラボレーションで高い人気を集めています。
本作は、彼が2023年からスタートしたChromeシリーズから展開した1作です。金属を溶かしたような絵肌が魅力的で、さらに重層的なアプローチが怪しさを増幅させポートレートの概念を再構築するかのような野心に満ちています。アクリル板のない木製額に、キャンバス原画を固定した額込みの作品になっており、内部台紙にテキストの刷り込みがあります。個展「Nobody knows the truth」(2024年、福岡市・GOLDFLOG COFFEE)にて展示され好評を博しました。