カメラを通して向き合う対象が人物なのか風景なのかを問わず、何らかの物語性をプラグインできる。それが古田氏特有の写真術です。
近年は著名人ポートレートだけでなく、多重露光を用いた独自の風景写真シリーズを発表し続けています。「離れた場所同士が、実は何かの不思議な縁でつながっていることがある」。その概念を、ビジュアルとして表現する試みとしてスタートした同シリーズでは、大きなスケールで陰影豊かに描き留められた森や川、大地などが、地理的な情報のレベルから全く自由に解き放たれ、見る側の心のなかに新しい物語を綴り始めるようなスリリングな劇場感覚を備えています。2024年から25年にかけて国内外のアートフェアで発表されてプリント作品の人気も高く、大きな反響を集めてきました。
本作は、最近の個展「STORYSCAPES」展で紹介され好評を博した作品のなかから自薦の1点です。滋賀県近江舞子、イスラエルとヨルダンの国境である死海がオリジナルイメージとなっています。