コンセプトは“ あなたとわたしがするアート”
この作品は鑑賞者が作品を購入、あるいは展示されている「Please take one.」と案内のある作品を持ち帰ることによって成立します。Tシャツ、キャンバス、紙の3つが用意されており、それぞれシルクスクリーンという版画作品で同じデザインが施され、作家本人が1枚1枚手刷りしています。Tシャツに刷っても、キャンバスに刷っても、紙に刷っても、手間は同じです。プリントされている内容はアートが世に出てくるまでの明細を作家視点から書きおこしました。1年間、僕が一人の人間として生きていく最低限必要な金額です。
僕はこの作品を通して、みなさんと現代におけるアートの価値とは何なのか?ということを対話したいと思っています。それは作品を購入、あるいは「Please take one.」の作品を持ち帰るという行為に委ねられています。あなたはこの作品をいくらで手に入れますか?また、キャンバスならアートで、Tシャツならプロダクト、紙なら広告ですか?そういった現代のアートに対する消費の在り方を思索させることを意図しています。
“あなたとわたしがするアート”これが完璧に成立するのは、わたしがTシャツをつくり、あなたがTシャツを購入した時です。