“多様性”が乱用される現代で、“オリジナル(唯一無二)”とはなんだろうか?僕は多様性を重んじる風潮と同時に、皆同じであろうとする空気感にギャップを感じている。生まれて物心ついた時には、隣に居る友人と自分は全く違うのだと知っていたし、誰一人と同じ形や思想をしていなかった。しかし、模倣と試行を繰り返し、環境に依存した自分自身の変化を経て、歴史は多くの事象の積み重ねであることを知った。多くのイメージやインスピレーションに溢れている世界でも、生み出されたものは創造の元に成り立っている。僕には何がオリジナルで、あるいはコピーなのかわからなくなった。138億年前、ビッグバンが起こり宇宙の膨張がはじまったように、常に身の回りで小さなビッグバンが繰り返され、新陳代謝の元に我々は歴史を上書きしている。だから、オリジナルは存在ない、あるいはオリジナルしかないのであると考える。我々は常に唯一無二であるし、二番煎じである。