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コムロ ヨウスケ

Yosuke Komuro

コムロ ヨウスケ

1978年東京に生まれる。幼い頃から絵を描くことに親しみ、7歳の時に出会った手塚治虫や鳥山明の漫画の影響で、漫画家を志すようになる。

14歳の頃に自身で描いて送った漫画が出版社に認められ、担当編集者と共にプロデビューの道を歩き出すが、当時の美術の先生にもらった画集に衝撃を受け、漫画以外の絵を描くような仕事に興味を持った彼は、将来の漫画家をやめ、アクリル画を描き始める。その後絵画やデザインに関わる様々な分野に興味の触手をのばし、工業デザイン、アート、グラフィックデザインを学び、アメリカ留学を経て、最終的にはグラフィックデザイナーとして広告プロダクションに就職し、2010年に独立。フリーランスのグラフィックデザイナーとして活動する。

その傍ら、彼は幼い頃から人と関わるよりも、一人で自然の織りなす風景や光を楽しむような少年であり、現在も、宇宙の森羅万象や、世界の成り立ちへの好奇心は収まることはなく、物理学や自然科学、そして宗教や歴史など、多方面の勉強を続ける中で、自分なりの解釈で得た、この世の本質的なものを表現したい欲求にかられるようになる。そのツールに選んだのは、子供の頃からライフワークのように続けてきた「描くこと」、「作ること」であり、活動の場がアートというフィールドになることは、もはや必然であった。

本質を追求していくと、真実は単純なストラクチャーに行き当たることを悟った彼は、あらゆる要素を削ぎ落とし、単純さと明快さを表現の中で追求するスタイルで、作品作りを続けている。表現はシンプルでミニマルでありながら、常に具象性と理論性が包括されていることが特徴である。彼は体質的に視覚や聴覚が特に敏感であり、混沌とした複雑さや騒がしさを嫌い、理路整然とした清潔感や静寂を好むことも、ミニマルな作品が生まれる一因と なっている。

彼の技術や感性は、東京という大都市で育ち、西洋文化の影響を受けながら発展していった、漫画を含めたあらゆるクリエイションに親しむ中で培われていった。そして米国での生活や、世界各国の旅を通じて、西洋文化に大きく影響されていることは間違いない。しかし、生活の土壌は日本であり、根底にある仏教を始めとした東洋文化からの影響度の深さや、感性的な強い親和性を、大人になってから発見することになる。その東西のハイブリッドな要素が彼の作品の中には確実に入り込んでいる。