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MKstudio

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毎年ゴールデンウィークに開催されるスパイラルのSICFというアートイベントに出展していたアーティスト・ユニット「アートチーム凹」が改名して、「あたり」としてデビューした。

あたりは筑波大学の大学院に在籍している三隅幸ほか同じ筑波大学内で出会った3名で構成されるアーティスト・ユニットである。

タグボートはSICFで見てすぐにスカウトを決めたのであるが、彼らのもつ圧倒的な作品の魅力はその見た目の面白さとコンセプトのユニークさである。

美大出身のアーティストからはなかなか出てこない発想は、科学のもつ力を彼らが重視しているところからきている。

さて、アートとテクノロジーの交差点を極めた天才といえば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズが有名であるが、彼にらはジョブズと同じテイストを感じさせてしまうアートと科学の交差点となるところが想起させるのだ。

彼らが作るものは、通常なら水に浮かぶことのない壁掛け時計を浮かせて、さらにそれがそのまま時を刻むという芸当を我々に見せつけてくれる。
この種明かしは、浮力を計算し、水中で0gになるように設計された時計を、屈折率が水とほぼ同じゼリーで満たされた水槽に入れることで、時計を実際に浮遊させるのだ。

さらには綿などの可燃原料で作られた衣服に陶芸に使う粘土を染み込ませた後で、それを高温で焼いて作った立体作品をも制作している。

このようなアートは、観るものを楽しませるだけでなく、そのからくりを知ることでより作家の意図が理解できるようになっている。
デジタルテクノロジーを使ったアートは数あれど、まるで「でんじろう先生」のような科学の持つテクノロジーを活かしたコンテンポラリーアートはまだ世界では少ない。

日本初の新しいコンテンポラリーアートのトレンドとして美術史に新しい文脈が追加される可能性があるアーティストだけに今後の活躍を大いに期待したい。